11.22.22:08
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09.08.16:24
第116話
「え・・・?」
「・・・モイラ?」
「な、七海?何で記憶が・・・」
*萌黄色サウンヅ*
「モイラ?どうしたの?」
天界上層部へ続く道でりおが立ち止まり頭を抱える
「セイレーン・・・七海の、記憶がなくなっていない」
「・・・それは」
「しかも、ユウの記憶を取り戻そうとしている。今のところユウの記憶の修復率39%」
「そんな・・・ITSUMIN様のご苦労が・・・」
向日葵も苦い顔をする
「魂の記憶は、時として消えないことがある。」
「「アテナ」」
「あの子たちが思い出しても、riraive様が思い出さないかぎり向こう側からこちらへ来ることは不可能。心配しているようなことにはならないわ。」
「そう、ね・・・」
「お前ら、どうした?上層部へ行かぬのか?」
「riraive様」
「召集時間は当に過ぎている。もう行かなくてもよいとは思うがな。何を話している?」
「あ・・・」
「いいえ、地上での思い出話ですわ。riraive様は、その後、地上での記憶は思い出せましたか?」
「いや・・・無理のようだ。まあ思い出せぬということは、それほど大切な記憶もなかったのだろう」
「・・・そう、ですわね」
塾Tがにこり、と切なげに笑う
「riraive様」
「ん?あぁ、デメテルか。どうした?」
「新しいお紅茶が入りましたの。地上のものですから、珍しいお味のはずですわ。今からお淹れしますから、よければ」
「紅茶か、うん。もらおう」
「あ、モイラ。今日中に地獄側の状態変化の資料をヘラに提出」
「え?あぁ!それではriraive様」
「あぁ」
りおと向日葵が急ぎ足で資料室へ向かう
「・・・」
塾Tもそれへ続こうとする
「アテナ」
「・・・何かしら、デメテル。あまり時を止めないほうがいいんじゃない?」
モノクロの世界でアテナとデメテルだけが色をもち、時間を持っている
「実りの女神たるもの、このくらいで様態を悪化させたりしないわ」
「・・・アマゾン達さえ気づかない、あなたの演技力はすばらしいと思うわ。失いかけてるあなたの生命自給時間と能力。せっかくセクメトがオーディン様と平行して治療してくれているのに」
「大丈夫よ。アテナ、私を心配してくれるのは嬉しいわ」
「・・・」
「私は、あなたが心配」
「・・・っ」
「ねぇ、riraive様が思い出さないことが本当の幸せなのかしら」
「天界の・・・主神能力の持続のためには仕方ないのよ。あの世界で、riraive様が死んでしまったら天界は滅び、地上も滅びる・・・。」
「そして、私達は天界から地上の壊滅を見る・・・」
「2年後、地上は一時的に壊滅・・・」
「でもっ!riraive様さえ生き延びれば、主神能力は滅びることなく、地上はまた復旧する・・・っ!私たちが今すべきことはriraive様を守ることっ!」
「・・・辛かったでしょう・・・ずっと、死ぬと決まった子達と一緒に生きることは。一緒に笑っている・・・riraive様とITSUMIN様を見ることは」
「・・・っ」
「ITSUMIN様を騙し続けてたことは」
「・・・だって、それはっ」
「イリスに、いった言葉をずっと後悔していたんでしょう?」
『イリス。あなた、女神としてちゃんと考えて行動しなさい。確かにオーディン様のことを考えての行動でしょうけど、この行動は、女神として恥ずべきものよ』
「なんで、それを・・・?」
「イリスが、落ち込んでたから聞きましたー」
「・・・」
「天界を、地上を考えての行動・・・それは、あなたの心をグシャグシャに踏み潰してたんでしょうね」
「・・・でも、すべて終わったわ。運命は・・・」
「変えられるわよ」
声色を変えて真剣な顔つきで言われる
「・・・モイラの受け売りね」
「げっばれましたの?!」
「ふふ、もう時間を作動させてもいいわよ、いい加減あなたの体に支障がでるわ」
「んー、そうね。それじゃriraive様とのティータイムを楽しんできますわ」
ふ、とすべてが色を取り戻す
「どうしたデメテル、行かぬのか?」
「今行きますわ」
「それでは」
「あ、あぁまたな、アテナ」
『塾T!』
「・・・・はい」
カツン・・・カツン・・・足音が無機質に響く
『まあ思い出せぬということは、それほど大切な記憶もなかったのだろう』
いいえ、あなたが手にした記憶は
確かに何にも変えられないほど大切な記憶でしたわ
riraive様・・・
riraive君・・・
ねぇ、君はどうしたかった?
そして・・・
すすり泣く音がまた、無機質に響く
「ごめん、ITSUMINちゃん・・っ」
騙して、ごめんね・・・っ!!
『見つけ出します。だから、私を地上に行かせてください!』
『ITSUMIN様、それでは・・・あなたの記憶を抹消させてしまうことになります・・・』
『いいんですっ!だって、お兄様に会えば、父上も助かるんでしょう?』
『・・・確実とまでは、いえませんが』
『私、一人地上に残るだけですもの、人間として』
『・・・』
『大丈夫ですっ!地上の方達と生きていきます!』
『・・・お元気で、いらしてくださいね』
華やかに笑う、あなたを
『あ、でも・・・たまーに遊びに来てくれませんか?』
『え・・・?』
『私がおぼえてなくても、きっと良いお友達になれると思うんです』
『・・・喜んで』
二度と、会えない
それは、本当に会えない永遠の別れ・・・
”死”
言えなくて、言わなくてすみませんでした
さようなら、二度と会えない お友達 ・・・
カツン・・・カツン・・・
また、無機質に響いていく
「・・・モイラ?」
「な、七海?何で記憶が・・・」
*萌黄色サウンヅ*
「モイラ?どうしたの?」
天界上層部へ続く道でりおが立ち止まり頭を抱える
「セイレーン・・・七海の、記憶がなくなっていない」
「・・・それは」
「しかも、ユウの記憶を取り戻そうとしている。今のところユウの記憶の修復率39%」
「そんな・・・ITSUMIN様のご苦労が・・・」
向日葵も苦い顔をする
「魂の記憶は、時として消えないことがある。」
「「アテナ」」
「あの子たちが思い出しても、riraive様が思い出さないかぎり向こう側からこちらへ来ることは不可能。心配しているようなことにはならないわ。」
「そう、ね・・・」
「お前ら、どうした?上層部へ行かぬのか?」
「riraive様」
「召集時間は当に過ぎている。もう行かなくてもよいとは思うがな。何を話している?」
「あ・・・」
「いいえ、地上での思い出話ですわ。riraive様は、その後、地上での記憶は思い出せましたか?」
「いや・・・無理のようだ。まあ思い出せぬということは、それほど大切な記憶もなかったのだろう」
「・・・そう、ですわね」
塾Tがにこり、と切なげに笑う
「riraive様」
「ん?あぁ、デメテルか。どうした?」
「新しいお紅茶が入りましたの。地上のものですから、珍しいお味のはずですわ。今からお淹れしますから、よければ」
「紅茶か、うん。もらおう」
「あ、モイラ。今日中に地獄側の状態変化の資料をヘラに提出」
「え?あぁ!それではriraive様」
「あぁ」
りおと向日葵が急ぎ足で資料室へ向かう
「・・・」
塾Tもそれへ続こうとする
「アテナ」
「・・・何かしら、デメテル。あまり時を止めないほうがいいんじゃない?」
モノクロの世界でアテナとデメテルだけが色をもち、時間を持っている
「実りの女神たるもの、このくらいで様態を悪化させたりしないわ」
「・・・アマゾン達さえ気づかない、あなたの演技力はすばらしいと思うわ。失いかけてるあなたの生命自給時間と能力。せっかくセクメトがオーディン様と平行して治療してくれているのに」
「大丈夫よ。アテナ、私を心配してくれるのは嬉しいわ」
「・・・」
「私は、あなたが心配」
「・・・っ」
「ねぇ、riraive様が思い出さないことが本当の幸せなのかしら」
「天界の・・・主神能力の持続のためには仕方ないのよ。あの世界で、riraive様が死んでしまったら天界は滅び、地上も滅びる・・・。」
「そして、私達は天界から地上の壊滅を見る・・・」
「2年後、地上は一時的に壊滅・・・」
「でもっ!riraive様さえ生き延びれば、主神能力は滅びることなく、地上はまた復旧する・・・っ!私たちが今すべきことはriraive様を守ることっ!」
「・・・辛かったでしょう・・・ずっと、死ぬと決まった子達と一緒に生きることは。一緒に笑っている・・・riraive様とITSUMIN様を見ることは」
「・・・っ」
「ITSUMIN様を騙し続けてたことは」
「・・・だって、それはっ」
「イリスに、いった言葉をずっと後悔していたんでしょう?」
『イリス。あなた、女神としてちゃんと考えて行動しなさい。確かにオーディン様のことを考えての行動でしょうけど、この行動は、女神として恥ずべきものよ』
「なんで、それを・・・?」
「イリスが、落ち込んでたから聞きましたー」
「・・・」
「天界を、地上を考えての行動・・・それは、あなたの心をグシャグシャに踏み潰してたんでしょうね」
「・・・でも、すべて終わったわ。運命は・・・」
「変えられるわよ」
声色を変えて真剣な顔つきで言われる
「・・・モイラの受け売りね」
「げっばれましたの?!」
「ふふ、もう時間を作動させてもいいわよ、いい加減あなたの体に支障がでるわ」
「んー、そうね。それじゃriraive様とのティータイムを楽しんできますわ」
ふ、とすべてが色を取り戻す
「どうしたデメテル、行かぬのか?」
「今行きますわ」
「それでは」
「あ、あぁまたな、アテナ」
『塾T!』
「・・・・はい」
カツン・・・カツン・・・足音が無機質に響く
『まあ思い出せぬということは、それほど大切な記憶もなかったのだろう』
いいえ、あなたが手にした記憶は
確かに何にも変えられないほど大切な記憶でしたわ
riraive様・・・
riraive君・・・
ねぇ、君はどうしたかった?
そして・・・
すすり泣く音がまた、無機質に響く
「ごめん、ITSUMINちゃん・・っ」
騙して、ごめんね・・・っ!!
『見つけ出します。だから、私を地上に行かせてください!』
『ITSUMIN様、それでは・・・あなたの記憶を抹消させてしまうことになります・・・』
『いいんですっ!だって、お兄様に会えば、父上も助かるんでしょう?』
『・・・確実とまでは、いえませんが』
『私、一人地上に残るだけですもの、人間として』
『・・・』
『大丈夫ですっ!地上の方達と生きていきます!』
『・・・お元気で、いらしてくださいね』
華やかに笑う、あなたを
『あ、でも・・・たまーに遊びに来てくれませんか?』
『え・・・?』
『私がおぼえてなくても、きっと良いお友達になれると思うんです』
『・・・喜んで』
二度と、会えない
それは、本当に会えない永遠の別れ・・・
”死”
言えなくて、言わなくてすみませんでした
さようなら、二度と会えない お友達 ・・・
カツン・・・カツン・・・
また、無機質に響いていく
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